生石高原への道のりと試練
1月30日、大阪を出発。朝の冷え込みが強いが、ツーリング魂に火をつけるには十分なスパイスだ。
和歌山の山間部へとバイクを走らせるにつれ、次第に空気が冷たくなり、路肩にはちらほらと雪が見え始める。生石高原が近づくにつれて、冬の訪れを肌で感じる瞬間が増えていく。
標高870mの生石高原に到着。広大なススキの草原が広がる…が、冷たい雨が降り始め、さらに強烈な風が吹きつける。まさに自然との戦いだ。
そんな中でも、SNSで話題の「火上げ岩」で記念撮影。大きな岩がバランスよく積み重なり、まるで今にも転がりそうな不思議な光景だ。

寒さに震えながら、高原の休憩所へ。中に入ると薪ストーブの温もりが身体を包み込む。ライダーにとって、寒い道中の暖は何よりのごちそうだ。温かいコーヒーを飲みながら、「もう出たくない…」という気持ちがこみ上げてくる。
だが、ツーリングはまだ続く。気合を入れ直して、次の目的地へ向かうことにする。
有田みかん海道へ
休憩所を出ると、相変わらずの寒さと小雨。レひたすら走り続ける。
山道を抜け、ようやく有田みかん海道へ到着する頃には、雨が止み、雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせる。
視界に広がるのは、一面のオレンジ色。両側に広がるみかん畑が、まるで黄金のカーペットのようだ。甘酸っぱい柑橘の香りがほのかに漂い、冬とは思えない温かみを感じる。
ワインディングロードを堪能しながら、爽快に走り抜ける。これこそ、ツーリングの醍醐味だ。
グルメタイム
絶景を堪能した後は、腹ごしらえ。「しらす屋 福扇」へ立ち寄る。
注文したのは、新鮮なしらす丼。ふわっとした釜揚げしらすがたっぷり乗った丼は、口に入れた瞬間、ほどよい塩味と旨みが広がる。生しらすも絶品で、ツーリングの疲れが一気に吹き飛ぶ。
食後は、「浜のうたせ(有田箕島漁協直営)」でお土産を購入。新鮮な海の幸を持ち帰れば、帰宅後もツーリングの余韻を楽しめる。
帰路と余韻
ここから折り返し。道の駅「龍遊」に立ち寄り、ライダー仲間と談笑しながら休憩。
さらに、古道歩きの里「ちかつゆ」で歴史の息吹を感じるひととき。ツーリングはただ走るだけではなく、その土地の文化に触れるのも醍醐味の一つだ。
そして、大阪に帰着。走行距離約300kmの旅路を振り返る。
寒さと雨に耐えた分、絶景とグルメの感動もひとしお。冬ツーリングならではの達成感が胸に残る、最高の一日だった。
次はどこを走ろうか——そう考えるのも、ライダーの楽しみのひとつだ。
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